技術座談会 CROSS TALK

技術者として
オイレスの未来を創っていく

多様な経験をしてきたオイレスの技術者たち。
中堅社員の視点で、オイレスの強み、社会への貢献、キャリア、会社の未来などを語ってもらいました。

MEMBER

  • 久郷

    一般軸受事業部 技術部 開発課
    2002年入社
    工学部 工学科

    学生時代に学んでいたこと
    鋳造工学に関する研究、鉛快削黄銅の代替材料の開発
    オイレスに興味を持ったきっかけ
    新しい金属材料の開発ができるメーカーを中心に検討し、金属だけではなく樹脂も扱うオイレスならば幅広い材料開発に携われると興味を抱く。目に見えにくいところで使われる軸受の、隠れたメインプレーヤー的な存在に魅力を感じた。
  • 庄司

    研究開発部 第四研究室
    2011年入社
    総合理工学研究科 メカニックス系工学専攻

    学生時代に学んでいたこと
    リニアモータを使ったリンク機構ロボットの部品設計や駆動シミュレーションなどを研究
    オイレスに興味を持ったきっかけ
    「技術力で社会に貢献できる会社」を軸にメーカーを志望。オイレスが社会で果たす役割、事業領域のユニークさと広さ、研究開発への積極的な取り組み、責任ある仕事ができる少数精鋭性など、自分の考える会社像とマッチした。
  • 小池

    生産事業部 生産革新部 生産DX推進室
    2012年入社
    工学部 機械工学科

    学生時代に学んでいたこと
    プラスチック製品の材料および製造プロセスの開発研究
    オイレスに興味を持ったきっかけ
    オイレスがNPS(New Production System)の第1号会員として生産技術に力を入れていることを知り、興味を持つ。もともと広く深い知識が要求される生産技術職を志望していたこともあり、入社を決める。

これまでのキャリアは?

一般軸受事業部 技術部に新入社員で配属され、入社8年目のときにアメリカの現地法人(OAC)に出向しました。期間は約5年です。その後、技術部 技術一課に戻り現在は開発課で後輩指導などにも力を入れています。

私の場合は新入社員として免制震事業部の技術部に配属され、入社2年目のときに同じく免制震事業部の開発部に異動しました。その後、入社5年目のときに組織編成で研究開発部に移りました。今の部署では免制震関連の業務を担当していますが、一時期は軸受関連の業務も行っていました。

入社以来、生産革新部に所属し、新製品の製造プロセスや工程設計を行っています。生産設備の設計・製作・プログラム構築や設備の移管構築など、オイレスグループ全体のエンジニアリング業務を担当しています。

技術者として感じる、オイレスの強みは?

当社の最大の強みは、やはり顧客対応力にあるんじゃないかな。お客様とマンツーマンで向き合い、やりとりや議論を重ねるなかで、試験を含む質の高い技術サービスを提供し、結果として新しい商品を開発してきたという実感があります。

お客様と一緒につくりあげることで、オイレスでなければできない製品が生まれる。お客様も必然的に当社に依頼してくる。お客様に合わせた製品づくり。これは大きな強みであり特徴ですね。

しかも幅広い業界や業種との取引があるので、横展開もできます。ここも機械部品メーカーならではの強みかな。

私が携わっている免制震事業は、もともとは軸受で培った技術から生まれました。トライボロジーとダンピングの融合。技術力の応用や展開も、オイレスの強みになっていると思います。

当社の自由な社風も強みの一つではないでしょうか。私の部署では若手でも「これをやりたい」と意思表示や提案をすれば、決して否定されません。内容が認められれば、予算や業務調整もしてくれます。上司や先輩が迅速な対応をしてくれ、若手でも踏み込んだ挑戦ができます。

若手の挑戦を上司や先輩など、周囲が協力してくれる社風がありますよね。

入社後、初めて生産ラインの設計を任された時、生意気にも安定した量産化をするためには、こう変えるべきではないかと進言しました。普通ならば、これまでの仕様を変える場合、お客様の意向も含めさまざまな調整が必要になるのでかなり難しいのですが、上司から「どんどんやりなさい」とアドバイスを受けました。関連部署の協力もあり、一気に実現化した例です。

いいと判断されると、すぐにプロジェクト化される場合もありますよね。

そのあたりは、たしかに当社の特長だと思います。

オイレスは、社会に対してどんな影響を与えているか?

社会に不可欠な製品をつくっているというプライドはありますね。軸受しかり、免制震しかり。機械設備・プラント・建物・橋梁など、さまざまな領域で「安全・安心・快適」を提供できていると思っています。例えば免制震だと、免震や制震の建物で過ごす人たちに、安心して日常生活を送っていただけていると思ってます。

そもそも当社のオイレスベアリングは、環境にとても貢献している製品だと思います。機械によってはオイレスベアリングの使用で通常よりもオイルを削減できており、発熱ロスや駆動ロスに貢献しています。おのずと、環境への負荷を抑えることにも繋がりますよね。

省エネやCO2削減などへの貢献はもちろんですが、当社の製品は最終製品ではないので、貢献度がなかなか見えにくいですよね。実は、非常に技術が光る存在なんだけれどね。

オイレスの製品が地球環境の持続的な発展に必要不可欠なものを提供している。社会に対してそういう影響を与えていることは、入社する皆さんにも知ってほしいですね。

軸受に比べると免制震は社会への貢献度が見えやすいかもしれません。ただ、橋梁に使われる支承という免震装置も、安全面において極めて重要な装置なのですが、なかなかその存在は分かりにくいです。ちなみに余談ですが、当社の免制震事業部では、実際の建物や橋梁などに使用される装置すべてを検査する「全数検査」を実施しています。そして、その検査がものすごく厳しい。それだけ安全に関わる重要な存在ということだと思います。

軸受もそうですが、実際に使われる環境を想定して試験や検査をしてますよね。

安全には絶対に手を抜かない。オイレスの製品はなかなか見えにくい存在だけど、自分の子どもに「あの自動車や、あの橋をお父さんの会社が一緒につくった!」と言いたいぐらい「安全に関わる製品をつくっているんだ」というプライドは持っています。

オイレスでの技術者としての成長、キャリアについて

私はこれまで生産革新部で、工場の製造プロセスや工程設計を担当してきましたが、上司や先輩が成長の度合いに応じた仕事の与え方をしてくれたことが、順調なキャリアステップを踏めている理由かなと思います。それに応じて、自分でも意見やアイディアを出しながら成長できたのではないかと。技術的なスキルは人事部内の技能研修センターというところでも身に着けました。技能教育センターは、加工技術や電気分野で必要な研修が受けられたり、資格取得の支援をしてくれたりと、サポート体制がしっかりしています。

やはり私の場合は、アメリカの現地法人に赴任をしたことが大きな経験になりました。海外での経験は、今の自分にもつながっていると思います。技術的なスキルアップはもちろん、異なる文化、価値観に触れることで、会社や組織のあり方、とりわけ業務への取り組み方の違いを学びました。日本流のやり方が通用しないとき、日本流のやり方を押し付ければいいかというと、そうではない。むしろ、現地のスタッフが生き生きと仕事をするにはどうすればいいか。その場所や個人に合った仕事の仕方は何かを考えるようになったと思います。日本に戻り、チームメンバーの個性や能力、意思などを理解したうえで、指導や育成にあたれるようになったと思います。

私は免制震事業部 開発部に在籍していた入社4年目のとき、自分がメインで開発した免震装置が「国交省大臣認定」の審査を受けました。これは新しい免震装置の性能や品質の信頼性を証明するものです。設計や試験の実施、審査会への書類提出、プレゼンなど、その過程での経験が大きな成長につながった気がします。

オイレスはお客様や取引先などから、高いレベルを求められる案件が多いですよね。そのための問題解決や安全基準への対応面での責任も重く、そこで生まれる自覚が必然的に技術者としてのスキルアップや成長につながっている気がします。責任に応えたいという使命感のような。

さっき、小池さんが仕事の与え方について触れたけど、上司や先輩が後輩のキャリアプランを考えてくれているという側面もあるよね。将来、何をやりたいか自分ではなかなか分からない場合でも、それを明確にするきっかけを与えてくれたり、チャンスを与えてくれたり…。

自分の能力よりも少し難しい仕事を与えてくれて、その経験を糧に成長している気がします。

オイレスの未来はどうあるべきか、
そのなかで果たす役割は?

スピード感が一つの課題かなと思っています。グローバルな展開をするなかで、否が応でも時代の劇的な変化に巻き込まれます。それに対してスピード感をもってどのように対応できるか。例えば、各拠点が共通の情報を共有し、社会の変化に応じて同じ方向を向いていくために、どんな組織体制や環境づくりが必要か。そのための方法の一つとして、デジタル技術を駆使した環境づくりが急務だと思っています。私は国内外のグループ全体を見て業務を行う立場なので、その環境づくりの一助になれるような役割を果たしていきたいですね。

私は技術活用が課題かなと。当社には膨大な技術知見や試験データがあります。正直、培ってきた技術の中には、十分に活かされていないものもあります。小池さんの意見にもつながりますが、それらをデータベースとして構築すれば、すぐにアクセスでき、対応スピードにもつながるのではないかな。

「自分たちがやってきた仕事をどう残し、どう伝えていくか」という技術の伝承や、それを活用できるシステムの構築も必要不可欠ですよね。当社の優れた技術力はまだまだお客様のために活用していくことができると思っています。培ってきた技術力をこれから競争力にしていきたいですね。

あとは、マーケティング視点をより強めていくこと。「滑る」という特性はあらゆることに関連している。B to Cも含め、社会的な視点からオイレスを必要としている市場を見つけ出す視点も必要かなと思います。

社内での技術コンペや製品コンペを開催してもいいよね。新しい市場開拓につながるかもしれないし、社員のモチベーションアップにも役立ちそうですよね。

より良い方向へのオイレスを変えていく意味でも、若手を牽引していく意味でも、われわれ中堅技術者の果たす役割は大きいですね。これからも協力して会社を盛り上げていきましょう!