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すべては小さな木質軸受からはじまった
INNOVATION

トライボロジーについて

トライボロジーとは

トライボロジーとは

当社のコアである「摩擦、摩耗、潤滑」をはじめ、関係する材料や設計などを含めた「相対運動しながら互いに影響を及ぼしあう二つの表面の間に起こるすべての現象を対象とする科学と技術」のことを言います。ギリシャ語の「摩擦する」を意味する
“tribos”と「学問」を意味する“ology”を語源としており、これらをつなぎ合わせた造語です。
すべり軸受の場合、軸と軸受という固体同士に挟まれた接触する面を対象としており、実際に接触している面に“何が起きているのか”を直接観察することは不可能です。そのため、接触している面の前後を検証し、“何が起きているのか”を想像するしかありません。ここで起こっている現象を様々な検証実験や分析で科学的かつ定量的に現象をモデル化する、それがトライボロジーを研究するうえで大切なこととなります。

オイレスのトライボロジー技術

当社のトライボロジー技術を語るうえで、コアとなるのは以下の3点です。

  • 摩擦:
接触して相対運動している、あるいはしようとしている物体間に働く現象
  • 摩耗:
表面を接しながら相対運動する物質の一方あるいは双方の表面における逐次減量(逐次損失)
  • 潤滑:
互いにすべり運動している物体間に“油”や“固体潤滑剤”などの潤滑剤を供給したりすることで摩擦力や摩耗を低減させる方法

軸と軸受が接触している以上、軸が動くと摩擦が生じ、摩耗は必ず起こり得ます。身の回りのものもそうですが、軸も軸受も表面が平らでなく、接触している面と接触していない面があり、この“ごく小さい”接触している面同士が接触することで摩耗は起きます。一般的に摩擦・摩耗と聞くと“小さく”することを捉えがちですが、実は“適正な”摩擦・摩耗を得るための様々なアプローチ、それが当社のトライボロジー技術になります。具体的には、自己潤滑性を持たせたり、最適な潤滑剤を供給したり、あるいは最適なフィーリングを創出するために摩擦抵抗を活用するなど様々な視点や発想が実績として蓄積されており、当社のトライボロジー技術の源泉となっています。

トライボロジーとオイレスベアリング

オイレスの軸受製品

オイレスベアリングとは“給油量又は給油回数を少なくできる”又は”無給油で使用できる“すべり軸受であり、一般のすべり軸受とは違う独自の軸受製品となります。
世の中には自動車や機械設備をはじめ、回転や往復運動を伴う多くの部材が存在しており、そこには摩擦や摩耗が生じます。その摩擦や摩耗によって生じる“ロス”が大きいと、機械や部品の消耗やエネルギーロスにもつながり、製品寿命やエネルギー使用量が増大し、環境に与える負荷も大きなものとなります。当社はおよそ、70年間にわたって蓄積してきたトライボロジー技術と独自の発想によって、摩擦や摩耗にうまく対処するための技術を有することができました。摩擦・摩耗の低減を実現していくことで、エネルギーや環境負荷低減へとつなげ、私たちの社会や生活が豊かになるように、見えないところで大きな貢献をしている、それがオイレスベアリングです。

トライボロジーと免震・制震装置

オイレスの免震・制震装置

オイレスベアリングの技術を鉄道橋梁用支承(橋梁の上部と下部の間に設置する荷重を伝達する部材)へ応用したことから始まります。日本初の長大吊り橋にオイレスベアリングが採用されたことがきっかけで、すべりの技術で橋桁を“支える”形に着想を得て、現在の免震・制震装置へと変わっていきました。当社のコア技術にあるトライボロジーに独自の発想を加えながら、優れた摩擦性能や耐荷重性といった技術を追い求めていくことで、振動を制御するダンピング技術の基礎を確立するに至ります。トライボロジーにダンピング技術を掛け合わせることで、建物や橋を目立たないところで支え、社会に安心安全を届けている、それが免震・制震装置です。