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オイレスケーブルダンパー(ケーブル制振装置)

斜張橋ケーブルは張力があることでもともと揺れやすい構造となっており、一定風速以上の風や、降雨時の風により大きな振動が発生することがあります。
オイレスケーブルダンパーは、このようなケーブル振動の発生をオイレス粘性体のせん断抵抗力で抑える装置です。

特長

  • 1基のダンパーでケーブルの上下、左右2方向の振動に対応でき、ケーブル張力の変動などによるダンパー取付点の動きにも追従できます。
  • 振幅0.5mm以下の微振動から優れた制振効果を発揮します。
  • 構造がシンプル・コンパクトで、機械的接触点や取付に起因するガタツキがなく、耐久性に優れ維持管理が容易です。

構造

  • オイレスケーブルダンパーは、ケーブル側に取付けカバーと、桁側に取付ける本体で構成されます。
  • 本体は2つの部屋に仕切られており、粘性体が充填されています。ここにカバーの振動子(取付けカバー内の2枚の薄い板)を上から挿入することにより粘性体のせん断面が4面形成されます。(下記寸法は参考例です。)
  • 点検について
    台風などの強風や震度5強以上の地震による振動を受けた場合は臨時の点検をおこない、取付け部や本体の損傷、粘性体の漏れが無いことを確認してください。

オイレス粘性体

  • オイレス粘性体は、難燃性、耐候性、熱安定性に優れた高粘度の高分子材料です。
  • オイレス粘性体は、経年劣化がほとんどなく、長期にわたって制振性能を維持することができます。

ダンパー効果

  • 実橋での振動測定により、片振幅が1.0~2.0mm程度の小さな振幅に対しても優れた振動減衰効果が確認されました(自由振動波形比較の図参照)。
  • さらに0.5mm以下の微小振幅域においても制振効果の有効性が確認されています。

図:ダンパー効果(自由振動波形比較)