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株主の皆様には、格別のご高配にあずかり、厚く御礼申しあげます。
さて、当社第73期(2023年4月1日~2024年3月31日)の事業概況につきましてご報告申しあげます。
当連結会計年度における当企業グループを取り巻く経済環境は、半導体供給不足が収束に向かうとともに国内外で自動車生産が回復する一方、中国経済の減速や世界的な物価上昇、欧米各国の金融引き締めに伴う景気後退の懸念、さらにはウクライナ情勢の長期化と中東情勢の悪化等により先行き不透明な状況が続きました。このような環境にあって、当企業グループは2021年度を起点とする中期経営計画(2021年度~2023年度)の最終年度にあり、計画で定めた目標実現に向けグループ一丸となって取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は68,765百万円(前期比9.4%増)、営業利益は7,291百万円(前期比44.2%増)、経常利益は7,791百万円(前期比36.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,476百万円(前期比32.5%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
軸受機器(一般軸受機器/自動車軸受機器)
オイルレスベアリングは無給油あるいは給油の回数や量を大幅に減少させることができ、省資源・環境への配慮の観点から自動車をはじめ各種産業機械などに幅広く採用されております。
一般軸受機器は、再生可能エネルギーや鉄道、建設機械向け軸受は堅調に推移したものの、中国経済の減速が中国市場、国内市場ともに一般産業機械の需要低迷に大きく影響し、セグメント全体の売上、利益は前年同期を下回りました。
この結果、一般軸受機器の売上高は14,158百万円(前期比2.0%減)、セグメント利益は999百万円(前期比11.9%減)となりました。
自動車軸受機器は、半導体供給不足の収束によりグローバルな自動車生産台数が持ち直したことで、国内及び北米、欧州を中心とした軸受需要が回復し、加えてアジア地域での新規案件の立ち上がり等がセグメント全体の売上、利益を押し上げました。
この結果、自動車軸受機器の売上高は32,374百万円(前期比10.0%増)、セグメント利益は2,540百万円(前期比35.6%増)となりました。
構造機器
オイルレスベアリングの長年にわたる研究開発で培ったトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)技術から派生して開発された免震・制震の技術は、人命、社会的財産や都市機能などを地震から守ります。
建築向け製品は、ロジスティクスセンターや都市再開発物件が堅調でした。橋梁向け製品は、好調な高速道路や改修工事向けに加え、大型物件が複数計上されました。第4四半期に大型プロジェクト向け製品等の完工、製造コストの削減効果、翌期想定物件の前倒し完工等があり、売上、利益を大きく押し上げました。
この結果、構造機器の売上高は13,283百万円(前期比16.8%増)、セグメント利益は3,097百万円(前期比104.8%増)となりました。
建築機器
風、太陽光を自在に操り、快適で安全な室内環境を実現する建築機器製品は高層ビル、公共施設、病院や住宅などあらゆる建築物に採用されております。
ビル向け製品はウィンドウオペレーターが都市部をはじめとした新築向けの需要が好調であったことに加え、ビルリニューアル向け、及び住宅向け製品も堅調を維持しました。
この結果、建築機器の売上高は6,389百万円(前期比4.2%増)、セグメント利益は554百万円(前期比13.7%増)となりました。