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ガルバニック腐食 (異種金属間腐食)

摩耗の原因の1つであるガルバニック腐食

      

ガルバニック腐食とは

金属材料の組み合わせにおいて、そこに電解質溶液(雨水、海水など)が介在すると、電池作用が生じ、各物質の自然電位が卑なる方が選択的に腐食します(図1)。このように、固有電位差の異なる材質間に生じる腐食をガルバニック腐食(異種金属間腐食)と呼びます。

ガルバニック腐食において、どちらの金属が選択的に腐食されるかは、金属が単体で腐食しているときの電極電位によって決まります。金属が自然に腐食しているときの電極電位を自然電位あるいは腐食電位といいます。金属材料の組み合わせにおいて、相手よりも自然電位が高い金属を「貴」、相手よりも自然電位が低い金属を「卑」と呼び、卑なる方が選択的に腐食していきます。

参考として海水中における各物質の自然電位一覧を図2に示します。一般に、組み合わせる物質の電位差が大きくなるほど、異種金属間腐食が生じやすくなります。また、物質の自然電位は、電解質溶液の種類、溶液の流速、温度などによって変化するため、異種金属間腐食を生じさせないために使用環境に応じた材質選定が必要となります。

図1 異種金属間腐食 概略図

図2 各物質の自然電位一覧※[1]

オイレスベアリングにおけるガルバニック腐食とその対策

写真1にオイレス#500における異種金属間腐食の例を示します。オイレス#500SP1-SL1に埋め込まれる固体潤滑剤は黒鉛系であり、相手軸の炭素鋼とは900 mV程度の電位差が生じます。写真1の例は、グリース封入式にて設計されていましたが、シールの破損によって雨水が侵入して腐食が生じており、貴な自然電位を有する黒鉛(固体潤滑剤)が、自然電位の卑なる炭素鋼(相手材)を選択的に腐食させていることが解ります。

写真1 異種金属間腐食の例

写真1 異種金属間腐食の例
相手軸:S45C焼入れ
軸受:オイレス#500SP1-SL1

ガルバニック腐食の対策として以下の方法があります

  • 水分との接触を避ける設計とする。
  • 軸受と相手材の接触面に油やグリースなどの油脂類を塗布する。
  • 軸受および相手材の材質の相互電位差を極力小さくする。
    一般には、組み合わせる物質の電位差を100 mV 以下とするのが目安です。
  • 最も有効な対策として、自然電位を持たない材質を採用する。
    対策案としては樹脂材質の軸受を使用する,あるいは,固体潤滑剤埋込型軸受の場合は樹脂系の固体潤滑剤(例:SL464)を使用することが挙げられます。

出典:[1] 腐食防食協会(編) 2000「腐食・防食ハンドブック」 p.174